秋田アーキテクトプロジェクト「MOKU-SUI ―木粋―」は、秋田の環境や住まい方を熟知した建築家と小田島工務店がコラボレーションして「秋田で暮らし続けること」をテーマにした住宅を提供するプロジェクト。

木をはじめとした自然素材をふんだんに使い、高い省エネ性能の住宅を提供することで、エネルギー、素材、デザイン面で長く持続可能な住宅と地域をつくることを目指しています。

住まいはその土地の風土に根差したものと考えます。冬の寒さや豪雪、夏の暑さや湿度、季節で変わる陽の角度や風の通り。そうした秋田の風土を熟知した建築家が設計を担います。

工業製品は廃版になることもありますが、自然素材はなくならず、痛みが出てもメンテナンスが容易。また、自然素材は再生可能で、最後まで無駄なく活用できるエコな素材です。

省エネ性能をはじめとした住宅性能の向上は、社会的な要請、そして、次の世代に対する責任であるとともに、私たちが健康的で、光熱費を抑えて暮らしにゆとりを持つためにも大切です。

県産材や県内技術、近くにあるものを積極的に採用していくことは、森林保全や技術の継承、運搬にかかるエネルギーやコストの削減など、地域で事業を行う者の責任と考えています。

高断熱・高気密住宅の第一人者西方設計の西方里見さん設計の平屋。切妻の屋根形状をそのまま活かした空間は、南側は居住スペース、北側は水廻りと収納にゾーニングされ、家具やパーテーションによって4.5～6帖程度の用途別の空間に分けることができ、住み手に多岐にわたる生活の選択肢を生み出します。外壁は秋田杉を使用したファサードラタン、床材は厚さ30㎜の杉無垢フローリング。UBの天井壁は青ヒバ、内装仕上はオガファーザーを使用。

第1回エコハウス大賞で大賞を受賞したMOLX―もるくす建築社の佐藤欣裕さん設計の平屋。西側に玄関と浴室・洗濯動線をまとめ、中央にLDK、東側には両面使いのクローゼットを挟んで個室を2つ配置した3つのゾーンで構成され、各部屋はコンパクトながら、動線を繋ぐことで狭さを感じさせないようにしています。外壁は秋田杉の大和張り、内部はナラの床材、UBの天井は杉を張り、内装仕上はエコフリース。

高性能住宅の他に、医療・福祉施設や農業施設、商業施設も手がけている、やまと建築事務所さん設計のリノベーション住宅。築48年の2階建て木造住宅を、2階と1階の一部を減築し構造を整え、シンプルな平屋の間取りに再構成しました。ファミリー層を想定した一方で、幅広い暮らしに対応できるよう可変性を重視し、間仕切や扉を極力設けず、生活に合わせて必要になった際に準備ができます。外壁は秋田杉の縦張り、内部仕上は珪藻土クロス、一部天井仕上はマホガニー材を使用。